前半はバイエルンのウォーミングアップ
順当な勝ち上がりの中にも、わずかな綻びが垣間見えた。
2014年3月11日、欧州チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグ、バイエルン・ミュンヘンはホームのアリアンツ・アレナにアーセナルを迎え撃つ。バイエルンはロンドンのアウェイで異次元のサッカーを見せつけ、2-0のスコアで1stレグを折り返していた。
グアルディオラが先発に選んだのは、GKノイアー、右SBラーム、CBにマルティネスとダンテ、左SBアラバ、ダブルボランチにチアゴとシュバインシュタイガー、2列目にロッベン、ゲッツェ、リベリー、ワントップにマンジュキッチ、である。
既に2点をリードしていることもあってか、前半戦はバイエルンが少し余裕を持ってボールを回し続けた。その中で、マンジュキッチ、ロッベン、ゲッツェらがポジションチェンジをしながら、ゴールに迫っていく。
19分、アラバからのパスに左サイドを走ったリベリーが折り返し、ロッベンがダイレクトにシュートを放つが、叩き付けられた格好となったボールはゴールの上に逸れる。38分、ゲッツェの右サイドからのクロスを、マンジュキッチがヘッドで合わせるが、これもわずかにゴールの上へ。
前半そのものが、バイエルンのウォーミングアップに費やされたようだった。試合後にペップは「今日の前半戦でアーセナルにはひとつもチャンスがなかった」とのコメントを残す。45分間のロンドスを終えて、第1線から続く合計スコアは2-0のまま、ハーフタイムに突入する。
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