先制点後、ミランが押し返す時間帯も
「鍵は、中盤のインテンシティにあると見ている」
試合前日、第1レグでリードを奪ったアトレティコ・マドリーのシメオネ監督は語っていたが、それはハイプレスという形で実行された。堅守速攻を得意とし、リードをしている状況ならばじっくり待って、カウンターで刺すことも出来たはず。しかし彼らは前に出て、ミランをいきなり潰すことを考えた。
そしてその積極策は、見事な形で実った。3分、左サイドで組み立てを図っていたエッシェンをハイプレスで取り囲み、あっさりとボールを奪う。そしてボールは中盤でフリーとなったコケに渡り、ファーサイドへと美しいクロスが放たれる。
そこには、巧みな動きでラミの背後を取っていたジエゴ・コスタがフリーになっていた。ブラジル出身のスペイン代表FWはゴールへ飛び込みながら右足を合わせて、ボレーで先制に成功した。
ただ、早すぎる先取点は時にピンチを招く要因となる。最終ラインを慎重に下げるあまり、中盤のスペースを空けたアトレティコ・マドリーは、ミランへペースを譲り渡してしまった。
高い位置のプレスからボールを保持した後に、支配率を上げて攻めたかったミランにとっては絶好の展開。両サイドを広く使い、相手の守備ブロックを右に左に揺さぶった彼らはリズムに乗った。
そして27分、彼らはそのサイドアタックからついに同点へと追いついた。エリア手前に下がってきたバロテッリが、正確なダイレクトパスを右のオープンスペースへと入れる。すると、右サイドに流れてきたポーリが正確なクロス。
これをファーに飛び込み、ヘディングで合わせたのは、8日のウディネーゼ戦で温存し気力、体力ともに十分のカカーだった。キャプテンマークを巻き、ベテランとしてチームを引っ張ろうとする彼は、サポーター席にミランのエンブレムを指差した。