サッカーに対する飽くなき渇望
しかしよくよく考えてみると、そもそもドイツのメディアで採点され続けること自体、決して簡単なことではない。ブンデスリーガで日本人選手がプレーするのはすっかり当たり前になってしまったように見えるが、その舞台で先発に名を連ね続けることはやはり依然として途轍もないことなのである。
そして岡崎、細貝のプレーを見ていると、サッカーは技術だけでするものではない、ということが良く解る。もちろん技術は必要不可欠だが、ゴールへと向かおうとする気概、ブンデスリーガの舞台に踏みとどまろうとする情熱、やはりサッカーには「気持ち」が必要だ。
それは単なる根性とは別の、サッカーに対する飽くなき渇望とも言えるかもしれない。異国の地で奮迅する2人の侍からは、採点の数字だけでは推し量ることの出来ない何かが、伝わってくる。
この試合で岡崎と細貝に付与された「3」と「4」という数字を超えて、ドイツの地で採点され続けていること自体が、評価されるべきことなのかもしれない。
【了】