「ギリシャらしさがひとっかけらも出ていない試合だった」
そんな記者たちもサポーターも、まったく真剣モードでなかったこの韓国戦。彼らの“代表”である19人だけがバリバリ闘志に燃えていた、なんてことは考えにくい。
守備自慢の評判をあっさり覆して0-2で敗れたが、予選10試合で4失点しか許さなかったディフェンス王たるゆえんの徹底したプレスもゾーンも少しも披露されていなかった。
守備をきっちりまっとうするには、完璧な集中力を必要とする。よくカップ戦などで、弱小クラブが強豪相手に前半を0-0で食い下がることがあるが、60分ごろからほころびが出始め、その後バン、バン、と点を入れられる。
集中力が怪しくなってくるのがそのくらいの時間帯だからだ。ハナから集中していなかった彼らに持ち前のプレーができるはずもなし。
サントス監督は「わたしが指揮した43試合の中で、唯一、ギリシャらしさがひとっかけらも出ていない試合だった」と大怒りだったが、彼らが強いか弱いかは別として、本戦で日本が戦うことになるギリシャ代表が、韓国戦のときとは別人であることは、まず間違いないだろう。
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