ガゼッタ・デロ・スポルトは一定の評価を与える
一方、ガゼッタ・デロ・スポルト紙のマルコ・パゾット記者は負けチームのアベレージともいえる5・5点を本田に与えた。一定の評価の理由は本田のパフォーマンスというよりも、セードルフ監督の起用法への疑念にあるのかも知れない。
「彼は戦術的なレベルでもチームを助けることもできなかった。それは、監督の起用法にもよる。なぜなら、今日の試合では、真ん中で試すことが出来た試合だった。彼が得意というポジションでやってみせてもよかったのに。今日さえもそうしなかった。サイドに開いてプレーさせていた」
欧州チャンピオンズリーグ、アトレチコ・マドリード戦を控え、カカ、アデル・ターラブという攻撃的MFのレギュラーを温存させたセードルフ監督にとっては、本田を試合開始時点からトップ下でテストする千載一遇のチャンスにも見えた。
しかし残念ながら、セードルフ監督は前日会見で本田のトップ下オプションを持っていないことを公言し、右攻撃的MFとして結果を出すことを求めている。後半26分から本田はトップ下にポジションを移したが、仕事はできなかった。
「守備的にはなかなかよかった。でも右サイドで守備していれば、攻撃に明晰さをもってプレーできない。ウディネーゼにゴールを決められた後、何も分からなくなった。ターラブとバロテッリが入って、混乱していた。ユベントス戦のように、みんなが攻撃参加して、戦術は崩壊した。本田の適性にあったポジションでのプレーが見れなくて残念だ。真ん中で試していない。
攻守に運動量豊富な選手を探しているセードルフ監督の事情は理解できる。でも、今日はトップ下でやらせてみてもよかったと思う。貴重な機会でチームに役立つかも知れなかった。過ちを分け合っている格好だ。監督の起用法もあるし、本田もあまりよくなかった。
今日も評価は及第点以下。つまり不十分だ。前方の選手はみんなよくなかった。パッツィーニが中でも闘おうとしていた。ボールに食らいついていた。パッツィーニだけは攻撃的な選手で、唯一6点の及第点だが、あとは全員低評価だ」
駄目だったのは本田だけでない。1トップ下の3人のパフォーマンスには不満以外の何ものでもない。そして、パゾット記者はウディネーゼ戦で本田を右サイド起用に固執し、トップ下でのテストの機会を生かさなかったセードルフ監督の方針や途中交代に懐疑的な視線を投げている。
守備面での貢献を認めつつ、攻撃面で本田のパフォーマンスが振るわなかったことも事実なので、点数的には一定の同情を余地を見せている。しかしながら、チームは勝てない。本田自身もゴールやアシストという目に見える結果が出せないのであれば、トップ下はおろか、先発の座もますます危うくなるばかりだろう。
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