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日本代表 11年前

新ボランチの軸に、成長を続ける山口蛍「自分だったら“ここを埋めていた”というのはある」

長谷部を怪我で欠き、遠藤も万全ではない中で行われたニュージーランド戦。山口蛍は11月の遠征に続き、ザックジャパンのボランチとして先発した。東アジアカップで存在感を示した若き才能はボランチの軸となり得るほどの成長を見せている。

text by 元川悦子 photo by Asuka Kudo / Football Channel

「いい感じで練習できてるし、いい感じで入れてる」

新ボランチの軸に、成長を続ける山口蛍「自分だったら“ここを埋めていた”というのはある」
山口蛍は青山敏弘とともに先発起用【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 ザックジャパンのキャプテン・長谷部誠が右ひざ負傷で長期離脱を余儀なくされ、ブラジルW杯本番に間に合うかどうか微妙な情勢になっている。その長谷部と岡田ジャパン時代の2008年から「鉄板ボランチ」を形成してきた遠藤保仁も左足首を痛めており、コンディションは万全ではない。そんな状況の中、5日のニュージーランド戦では、本大会に向けてボランチをどうするかが重要テーマに据えられた。

 その期待を一心に背負ったのが、昨季急成長した山口蛍だ。2013年東アジアカップで絶大な存在感を示した23歳のボランチは、11月のオランダ・ベルギー2連戦で世界トップレベルとそん色なく戦えることを証明した。

「まだあの2人(長谷部&遠藤)が不動やと思うし、自分はまだ次の遠征に選ばれるかどうかってところだと思う」と本人はあくまで謙虚な姿勢を崩さなかったが、W杯イヤーに突入してから彼自身の中でも世界の大舞台に対する欲のようなものが芽生え始めていた。

「今回は練習時間が短いけど、いい感じで練習できてるし、いい感じで入れてる。他のボランチとの連携? 誰とやっても大丈夫だと思います」と山口は合宿の時からいい状態をキープしていた。それをザッケローニ監督も見逃さず、青山敏弘とともに先発起用。東アジアカップ優勝の立役者となったボランチコンビ再結成となった。

 日本は序盤から凄まじいゴールラッシュを披露。前半20分までに4点をリードする展開となったが、山口は前がかりになる味方を冷静に見極め、抜群のポジショニング感覚で確実にスペースを埋めていく。

 主に攻撃的な青山が前目に位置し、彼は最終ラインに入ってビルドアップに参加する同時に守備のカバーリングにも入る役割を担ったが、それもバランスを考えてのことだった。ニュージーランドがカウンターから酒井宏樹のサイドを狙ってくると、スッと動いてサポートに行く。そういうポジション取りのうまさ、周囲との連係の巧みさは、最近代表に定着した選手とは思えないほどだった。

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