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香川真司 11年前

韓国ではアンチ増加も莫大な経済効果。香川真司がマンUに必要とされた理由

text by 鈴木英寿 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Asuka Kudo / Football Channel

アンチ・マンU増加だが…

韓国ではアンチ増加も莫大な経済効果。香川真司がマンUに必要とされた理由
スウォンジーからサンダーランドAFCにレンタル移籍したキ・ソンヨン【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 中でも、プレミアリーグのテレビ放映の世界的な数値が明らかになったのは興味深い。

 現在、212の国と地域で放映されているプレミアリーグの視聴者数(年間の述べ視聴者数)を国別でみると1位がアメリカで9800万人。2位がサハラ砂漠以南のアフリカ地域で6200万人。そして3位は日本の5150万人である。これは、4位の西アジア(3430万人)、6位の中国(3220万人)、9位のタイ(1810万人)を引き離す数字である。

「マンチェスター・ユナイテッドがなぜ、パク・チソンの後に香川真司を獲得したのか、この数字だけでも分かるでしょう。もちろん、サー・アレックス・ファーガソンはその実力と将来性を見極めて香川を獲得したはずです。

 でも、ユナイテッドというクラブ、企業はそんなに単純な組織じゃない。必ずコマーシャル的観点からのレポートをファーガソンに提出したと思いますね。日本人選手を獲得すれば、間違いなく儲かりますよ、と」

 プレミアリーグはアジアで絶大な人気を誇る。この説は正しい。事実、大陸別の視聴者数ではアジア地域が1位(34.5%)で、2位は北米・カリブ海(18.7%)である。3位のイギリスを含めたヨーロッパ全土は15.8%であり、アジアの半分にも満たない。ユナイテッドのコマーシャルチームが秀逸だったのは、アジアの中でも、圧倒的視聴者数を誇る日本にターゲットを定め、徹底してセールスを仕掛けていることだ。

 B氏は続ける。

「私がKFA(韓国サッカー協会)の関係者などから聞くところによれば、日本のマンチェスター・ユナイテッドファンは、香川真司の加入以前から相当数いたようです。そこが韓国マーケットとの決定的違いかも知れません。

 韓国でもユナイテッドは高い知名度を誇っていましたが、パクの移籍後はまったくの不人気。一番人気はスーパースター、キ・ソンヨンが所属するスウォンジー。パクが移籍加入したQPRは二番人気で、個人的にはサムスンがメインスポンサーを務め、毎年のようにプレシーズンツアーで韓国を訪れるチェルシーが、三番人気だと思いますね」

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