選手エージェント関係者B(40代、男性、韓国国籍)の話
香川効果の影に隠れ、存在感が一気に薄まってしまったのが、韓国を代表するスーパースター、パク・チソンである。
香川の加入前、加入後で「韓国におけるユナイテッドのマーケット状況は激変した」と語ってくれたのは、プレミアリーグにも太いパイプを持つ韓国系選手代理人会社のスタッフである。
「韓国人は、クラブではなく選手を応援します。事実、今季からスウォンジーでプレーしたMFキ・ソンヨンは絶大な人気を博しており、ウェールズの田舎街まで毎試合、数多くの韓国人ファンが詰めかけました。
パク・チソンは昨季までユナイテッドでプレーしていただけあって、多数の韓国人ファンが彼を応援するためにマンチェスターを訪れていましたが、QPRに移籍後はほとんど全ての韓国人がユナイテッドというクラブに背を向けてしまいました。
その理由はもちろん、隣国のライバル、日本から香川真司が加入したからです。今季、韓国メディアで香川の記事もたびたび登場しましたが、その大半が『パク・チソンとの比較』論です」
では、韓国のファンはどれだけ、香川加入によってアンチ・ユナイテッドになってしまったのだろうか。B氏はこんなエピソードを紹介してくれた。
「現代グループ系列の某社長が、こんなことを話してくれましたよ。ユナイテッドからスポンサーセールスのためのアポ取りの電話が来た。秘書がつなごうとすると、烈火のごとく怒ったそうです。『そんなクラブに用はない、時間の無駄だ。早く切れ!』って」
この代理人会社は、12-13シーズンは、パクが所属するQPRとキが所属するスウォンジーのスポンサーを務める韓国の携帯ゲームメーカー、ネクソン(NEXON)ともつながりが深く、スポンサーセールスの資料を提供してくれた。ここには様々なデータが列記されている。
【次ページ】アンチ・マンU増加だが…