日本人の獲得でいくら稼いだのか?
『Four Four Two』誌によれば、ユナイテッドは大口スポンサー以外にも、40を超える各国の携帯・通信メーカーとの地域スポンサーシップを締結しており、金額は年額100万から200万ポンド(1億5000万円から3億円)。香川が加入した後に地域スポンサーとなったカゴメも「おそらくその金額前後、あるいはもう少し安い」(A氏)といった価格帯で契約締結したと推定できる。
同誌の取材に応じた国際的スポーツマーケティング会社オクタゴンのサッカー部門責任者、フィル・カーリング氏は次のように語っている。
「ユナイテッドには、強固なコマーシャル戦略があります。それに基づいて、適切な部署をもうけ、適切な人材を配置しています」
スポンサーセールス戦略を統括するアーノルドがコマーシャル・ディレクターに就任したのが、2007年。現在、ユナイテッドの営業部門はロンドンの中心部に集約されており、ここだけで80人の従業員が日夜働いている。
昨年には香港にアジアオフィスを開設。そこでは2人の日本人が勤務しており、今後のアジアマーケティングは、香港オフィスを拠点に全面展開していく模様だ。さらに、北米にも本格進出すべくニューヨークにオフィスを開設するプランもあるという。
A氏は語る。
「この夏のアジアツアーが、非常に重要な足がかりになるでしょうね(編注:原稿執筆は2013年5月)。すでにチケットの売れ行きは好調と聞いています。何と言っても、ユナイテッドは8年ぶりの来日となりますし、香川真司が赤いユニフォームを着て日本でプレーする最初の舞台となりますから、信じられないくらいのフィーバーとなるでしょう。
私の推定では、ヤンマーと関西ペイントが300万ポンドから400万ポンド(4億5000万円から6億円)、カゴメとグループスが60万ポンド(9000万円)と見ています。つまり、香川が加入したことで、ユナイテッドはスポンサーシップだけで、少なく見積もっても10億円以上は稼いだ計算になりますね」