日本が苦手な大型FW
すぐ横でシーンを見ていた酒井高徳は「もっと森重君と近くして、森重君がかわされた時に簡単にシュートを打たせない様にできれば良かった」と自分の問題をあげながらも「中は枚数が同数で足りていたし、日本の高さに弱い部分が出たかなと思います。相手は足でシュートだったけど、体の強い選手に対してマークを付けきれないところでの失点だった」と1対1の競り合いでやられた部分は反省材料とした。
このコメントはドイツで戦っている選手ならではだが、良い流れでも悪い流れでも、ゴール前の局面は厳しく行かないとやられてしまうことを証明する失点だった。
「1対1で強い相手に対して踏ん張れなかったので、しっかり鍛え直したい」と森重も語るが、速いボールよりもむしろ、ふわっとゴール前に上がってくるボールに対して、大型FWがフィジカルを前面に押し出してくるフィニッシュに対して、日本のDFはあまり得意としていない。
本大会の対戦相手は当然この場面を映像チェックし、有効なサンプルとして攻撃に活かしてくるはずで、似たシチュエーションで1対1を含めてどう守り切るかを森重だけでなく、チームとして共有しないといけない。
ニュージーランドに対して“意味が無い”という意見も多く見るし、確かに強豪とは言いがたいが、序盤にポンポンと得点が入ったことで、余計に楽観ムードが漂っていたのも事実だろう。
ただ、相手が若手主体のチームの攻撃面のテストに比重を置いていたことも理由の1つだ。堅守からフィジカルを活かした戦い方に切り替えてきたニュージーランドに対し、日本は4点を追い付かれたわけでも逆転されたわけでもなく、テストの要素を加えながら試合には勝利した。
ここで喫した2失点と時間的、空間的な要因をしっかり反省材料として、今後に活かしていく意識と行動が求められる。
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