本大会でも十分起こりうる失点
今年最後の代表戦、そしてメンバー選考まで最後の代表戦で、ニュージーランドに4-2と勝利した日本代表。
所属クラブで厳しい境遇にある本田や香川がまがりなりにも自分たちの存在価値を示し、代表で初めてキャプテンマークを巻いた長友が持ち前の推進力でチームを引っ張り、2得点の岡崎は歴代3位となる38得点に。東アジアカップ以来のコンビとなったボランチの山口と青山が安定したパフォーマンスでアピールした。
ポジティブな面も多かった一方で、前半17分までに4得点を奪いながら、その後で2失点を喫し、追加点を奪うことができなかった。「チームが本来のプレーを止めてしまい、少し(試合を)流しにかかった時間帯で、個々の選手がその状況からどう抜け出そうとするのかを観察することができた」と語るザッケローニ監督も、「失点を減らそうという気持ちが必要」と語る通り、2失点を明確な反省材料としてあげる。
もちろんサッカーの試合は90分、全く危なげない試合はほとんど存在しない。しかもテストマッチで4点をリードした後に高いテンションを維持し、細部までこだわりを持って試合をマネージメントするのは容易ではない。
後半に6人の選手を交替しているのも親善試合ならではで、大会の緊張感とは違う。しかしながら、ニュージーランド戦の2失点は本大会でも十分に起こりうる流れでの失点だ。
「最初の25分間は我々のいいプレーができていた」とザッケローニ監督。4得点したあとも、しばらくは日本のペースで試合は進んでいたが、変化の兆候が見られたのは28分、酒井宏樹の右からのクロスに大迫が飛び込み、すんでのところで合わずにボールがファーに抜けた直後だ。
右サイドバックのルーがボールを拾って前にボールを運ぶ。日本は高い位置からケアできず全体的にリトリートしたが、前を向かれたまま出された縦パスをFWのボイドが長友の裏で受け、そのまま右足でクロス。吉田の手前を抜けたボールをウッドが右足で合わせたが、森重が咄嗟に足を出してCKに逃れた。