「サイドバックが食いついたら宏樹が空くというのは何回もできた」
「マインツでもそうだし、今日の代表でもミスは多くあったけど、チャレンジのミスがほとんどだったので、個人的にはいい状態を継続できている。前へのミスならポジティブになれる。そういう感じでやれていた」とどんな時も諦めずに前へ前へ出ていく姿勢が得点のパターンを増やし、この日の2ゴールを生み出す原動力になっているのは間違いない。
トーマス・トゥヘル監督も「慎司は日本代表で成功している生粋の点取屋」と絶賛していたが、ドイツで試合を重ねるごとに確実に得点感覚を研ぎ澄ませている。本人もその部分に自信を持っているからこそ、5試合ノーゴールという結果にへこたれず、ポジティブな思考を維持できているのだろう。
その岡崎が下がった後半は、ザックジャパン全体に裏を突く動きがなくなり、チームの機動力が低下。本田や香川が個人能力でねじ伏せようとするばかりで、攻撃の連動性や迫力が影を潜めた。
「僕が裏を狙うシーンが多かったのは狙い通りでした。まず底を狙って、相手のサイドバックに自分がいることを分かってもらって、そこから(酒井)宏樹を上げられるようにして、サイドバックが食いついたら宏樹が空くというのは何回もできた。そういう形が多かったのは収穫ですね。
ただ、4点をリードした後、相手に押し込まれる場面もあったし、プレッシャーにいき続けすぎて間延びして、相手にやられることもあった。ああいうところはW杯になってくると警戒しないといけない。
引く時は完全に引いた方がいいと思うし、メリハリがまだ足りなかったと思います。90分間、点も欲しいし、そのへんがチグハグというか、みんなが規律を守っている感じではなかったので修正していかないといけない。
次にみんなが集まった時はチームとしてプレッシャーのかけ方、攻めるパターンを増やしていきたいと思います」と、岡崎は試合を振り返りつつ、チームの課題に目を配ることも忘れなかった。