W杯前に適切な相手だったのか?
日本代表は発展途上のチームだ。強豪に勝利することもあれば、格下あるいは同等に思われる相手にあっけなく敗れることもある。ハマれば強いが……というチームで、コンディションさえ整えればある程度やれてしまう強豪とは違う。
そう考えるとニュージーランドはこの時期の相手としては不適切だったと言わざるを得ない。
ザッケローニ監督は震災で3年前に流れてしまったことから、この対戦を自ら要望したという。それ自体はとても意義のあることで、あの震災を忘れてはならない。だが、2014年にこの試合は必要だったのだろうか。
別の年に組む、あるいはこの試合とは別に強化の試合をもう1つ組めなかっただろうか。W杯に本気で挑むために、ピッチ内での意義を見出だせる試合が必要だったはずだ。
W杯メンバーの選考まで、ニュージーランド戦以降は試合がない。主力中心で戦ったことで、どの程度控えメンバーの状況を把握できたかは定かでない。
「課題が残った」。岡崎や長友ら選手たちは試合後にそう語り、さらなる向上に余念がない。頼もしい限りだが、この貴重な試合で課題を1つでも潰したかった。課題を残したまま本大会へ突入する可能性は高くなってしまった。
W杯は総力戦だ。マッチメークを含めた広範囲の戦いで遅れを取っていると言わざるを得ない。
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