進歩なく、確認だけのニュージーランド戦
2014年、ブラジルW杯を前に日本が行うのは2試合。そのうちの1試合が5日のニュージーランド戦だった。わずか2試合という不安がある中、この試合は貴重なものだった。
だが、このニュージーランド戦で何かポジティブなものを見出だせただろうか。
前半の早い段階で4得点を奪い、オランダやベルギーに示した攻撃力を“確認”できた。香川真司はキレのある動きを見せ、マンチェスターでの不遇の日々が自身だけの責任ではないことが“確認”できた。2失点を喫し、まだまだ守備が課題であることが“確認”できた。
進歩はなく、この試合で得られたものは“確認”だけだ。
4-0となり、試合が決まったことで選手たちは緩んでしまった。もちろん改善すべき点だが、そもそもニュージーランドという相手は適切ではなかったのではないか。早々に大量リードを奪える相手との試合で得られるものは多くない。
調整ととればわからなくもないが、貴重なインターナショナルマッチでなぜこの相手だったのか。ザッケローニ監督は「ギリシャに似ている」と仮想ギリシャも見据えたが、では5月27日のキプロス戦は何なのだろうか。キプロスこそ仮想ギリシャだったはずだ。
W杯はグループステージで3試合しかなく、初戦が最も重要だ。初戦のコートジボワールより2戦目のギリシャとの対戦を厚く対策するのはなぜだろうか。
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