効果的だったトゥヘルの戦術
トゥヘルはシャルケ戦から若干布陣を変更した。4-2-3-1から4-1-3-2とでも呼ぶべき布陣で、トリプル・ボランチに4バックの相手に対し前線に厚みを持たせた格好である。岡崎はマキシム・チュポモティングとともにツートップを形成、先発出場する。
変わらず好調を維持する岡崎は、その運動量と献身性で前線を駆け巡った。チュポモティング、トップ下に入ったク・ジャチョルとともに勢いに乗ってプレスを掛け続ける。もちろんただガムシャラに走り回った訳ではない。プレスには当然、帰着点が存在する。
マインツ指揮官がプレッシングの最終的なターゲットにしたのは、レバークーゼンの左SBエムレ・チャンだった。
レバークーゼンの攻撃の特徴のひとつに、トリプル・ボランチの一角を軸としてSBの攻め上がりを促すサイドアタックがある。例えば底に入ったライナルツから丁寧にボールを繋ぎ、高い位置で起点となったロルフェスにボールを供給し、駆け上がったエムレにボールを渡す、といった具合だ。
エムレをターゲットにしたマインツのプレスはこの試合で実に7回、功を奏した。前半を通してストロングポイントを打ち消されたレバークーゼンは、攻撃が上手く機能しない。その効果が絶大だったプレスの先鋒に、岡崎がいたのは間違いないだろう。
しかし、この試合の岡崎に対して、意外にもKicker誌、Bild誌ともに「4」という少し低い点数を付与した。
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