スペイン代表では依然として強い信頼
週末のマドリー・ダービーでのディエゴ・ロペスの失点により、国内は再び「カシージャスをスタメンに!」とカシージャス擁護論で湧きあがっている。カシージャス信者はマスコミ関係者にも多く、確かに彼の人間性はそれに値するとも思うが、それでもディエゴ・ロペスのミスを鬼の首を取ったように騒ぎ立てて、カシージャス擁護の声をあげる一部のメディアのやり方は、見ていて気持ちのいいものではない。
もとい一部では、アンチェロッティはリーグ戦終盤にはカシージャスをスタメンに据えるつもりでいるとも言われているが、果たしてリーグ終盤に向けてどうなるか、先は見えない。
そういった背景を抱えて、今週、シーズン最後の代表親善試合(対イタリア代表)が行われる。スペイン代表のGKは、もちろんイケル・カシージャスであり、W杯に向けて今更変えることはないだろうが、リーグ戦でスタメン出場していないキャプテン兼キーパーは、スペインにとっても前代未聞となる。
代表監督が異なれば状況も変わっていたかもしれないが、現在の代表監督はカシージャスをトップチームに引き上げたビセンテ・デル・ボスケだ。カシージャスの実力も性格も知り尽くしているデル・ボスケは、32歳のカシージャスに全幅の信頼を寄せる決意をしているのだろう。
4年後、36歳になった時、カシージャスがスペイン代表にいられる保証はない。もっと言えば、来季、レアル・マドリーにいられる保証もない。だが、彼には12年間かけて手にした経験とチームメートや監督からの信頼がある。
スペイン代表での戦いは、「聖カシージャス」にとっても、自らのキャリアを懸けた戦いなのだ。
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