モウリーニョとの確執。監督が替わってもベンチの日々が続く
代表でも、GKの座はカシージャスのものだった。また、2008年にラウル・ゴンサレスが代表からいなくなった後は、キャプテンの役割をも代表で担うようになった。
そのカシージャスが、クラブでスタメンから外れるようになって、1年以上が過ぎた。最初にカシージャスをベンチに送ったのは、ジョゼ・モウリーニョであり、2012年12月のことだった。
その時は、キャプテンとして監督に意見を言う役割を担うカシージャスとそれを面白く思わないモウリーニョとの確執が取り上げられたが、モウリーニョが去り、カルロ・アンチェロッティがマドリーのベンチに座っても、その状況は改善されなかった。
プレシーズンはディエゴ・ロペスがスタメンとしてプレーしていたが、それはコンフェデ杯に参加したカシージャスが遅れてチームに参加したためでもあった。だが、普通に考えれば、カシージャスが戻ってきた時点で、スタメンの座は彼の手に回るだろうと周囲も(そして、おそらくはカシージャス本人も)思っていたが、その期待はあっさりと裏切られた。
アンチェロッティは、ディエゴ・ロペスをリーグ戦で、チャンピオンズリーグと国王杯にカシージャスを起用すると決めたのである。
カシージャスにとっても、ここまでベンチを温める経験は初めてのことであり、冬の移籍期間にはクラブを変えるかもしれないと匂わせる発言もあったが、最近は「レアル・マドリーで継続」したいと考えていようだ。
「マドリーでキャリアを終えられたらいいが、40くらいまでプレーしたいと思っているので、36、37になった時に続けるか、他で落ち着いてプレーするかを考えたい」と冗談交じりにコメントしている。
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