達観したようなメンタルは先輩からのアドバイスか
デビッド・モイーズ監督就任直後の昨秋時点の彼は、そこまで冷静ではなかった。10月のセルビア・ベラルーシ2連戦の時は全身から悲壮感と焦燥感を漂わせ、「この2試合はすごく飲まれていたし、どこか試合に入り切れない部分があった。
コンディションの問題もあって、いきなり代表に来て試合をするのには状態が悪かった。やっぱりチームで出ないといけないと思います」と申し訳なさそうに反省の弁ばかりを口にしていた。
その後、浮上のきっかけをつかみ、10月末から12月にかけてはユナイテッドでの出番も急増。11月のオランダ・ベルギー2連戦での香川は本来の輝きを取り戻しつつあった。しかし、クラブの不振とフアン・マタら新戦力の加入もあり、彼の立場はシーズン序盤より険しいものになりつつある。
これだけの紆余曲折を経験すれば、どこか達観した部分やメンタル的な図太さが生まれてくるのかもしれない。もちろん長友佑都や細貝萌ら親しい先輩たちからも前向きになるようにアドバイスを受けただろう。
今季終盤を迎えた今、もはや自身の立場が急激に好転しないのは本人も十分に理解しているはず。だからこそ、できることを少しでもやっていくしかない。いい意味での開き直りが今の香川の中に生まれたようだ。
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