スコアレスドローをどう評価すべきか?
インテルの復調が感じられる試合だった。前節のカリアリ戦こそ勝ちを逃したが、エルナネスの加入をきっかけにチームを作り直したサッスオーロ戦、そしてフィオレンティーナ戦の流れを引き継いだもの。
2位のローマを相手のホームでスコアレスに抑え、しかも攻め切って勝ち点をもぎ取ることが出来たのは、たとえ最低限の結果であっても評価出来るものだ。
そしてこの日の長友のパフォーマンスにも、そういった評価を下すことが出来る。攻撃面では今ひとつチャンスを作れず、前半28分にはボレーシュートを大きく上に吹かしてしまうが、その分堅実なポジショニングをベースとし、守備ではしっかりと貢献を果たしていた。
前半戦の対戦では、ホームで1-3と屈辱を喫したインテル。その際はトッティの個人技に、ジェルビーニョらのスピードを絡めたカウンターに振り回された。守備からボールを奪ったあとで、裏のスペースを狙う彼にボールを出し、一気に攻守をひっくり返す。今季のローマの重要な攻撃パターンである。
これに対して今回、インテルは緊密な守備組織で対抗。相手に振り回されないよう、カバーリングのメカニズムを緻密に準備し、速攻の無力化を図った。そして長友も、バランス重視の堅実なプレーでチームの守備を成立させていたのだ。
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