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ドログバとモウリーニョ、記念すべき再会。第2戦で愛弟子を待ち受ける“最高の歓待”は指揮官からの罠?

CLベスト16でガラタサライと対戦したチェルシー。ドログバとの再会が実現したが、指揮官モウリーニョが何も思わないはずがない。ドログバをロンドンに呼び寄せ、彼を世界的なFWに育てたのが、モウリーニョだったからだ。

text by 山中忍 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Ryota Harada

「最高の選手に成長したければ私の下でプレーすることだ」

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チェルシーで長くエースとして君臨したドログバ【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 今季のCL決勝トーナメント1回戦で実現した、ディディエ・ドログバとチェルシーの再会。しかも、ジョゼ・モウリーニョのチェルシーとの再会だ。

 2月26日の第1レグ(1-1)、イスタンブールに古巣を迎えたガラタサライの11番は、キックオフ前の握手の際、チェルシーの先発メンバー全員と肩を抱き合った。試合終了後には、80分に下がっていたベンチを出ると、ピッチを去る旧友全員を労った。

 しかし、一昨季までのチェルシー11番にとって最大の戦友は相手監督に他ならない。ドログバは、2004年の一度目のモウリーニョ就任時に、新監督に請われて同志となった。チェルシーには、ジョン・テリー、フランク・ランパード、ペトル・チェフという10年来の戦士もいる。

 だが、ユースから昇格していたテリー、監督交代前の補強だったランパードとチェフとは違い、ドログバはモウリーニョに見初められてのチェルシー入りだ。

 出会いは更に1年前。ポルト時代のモウリーニョは、CLでのマルセイユ戦で自軍からゴールを奪った相手FWに、「今は買えないが、最高の選手に成長したければ私の下でプレーすることだ」と告げたと、ドログバ自身が述懐している。

 一方のモウリーニョは、当時のチェルシーでは史上最高の約41億円という移籍金を伴う補強に際し、「経営陣を説得する必要があった」と後に明かしている。

 そして、ドログバは移籍直後からエースとして扱われた。モウリーニョの信頼と起用方針は、新CFがプレミア適応に手間取っている間も変わらなかった。監督による「あいつとならどんな戦いにでも出向ける」という評価は、3月で36歳の今でもドログバのお気に入り。

 そのドログバも、チェルシーFWとして「地の果てまで」と指揮官への忠誠を誓っていた。今季CL16強抽選前のモウリーニョは、固い絆で結ばれた「キング・ディディエとの再会が望みだ」と公言してもいた。

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