中盤は充実。岩波の早期復帰がカギ
中盤には、昨季セレッソ大阪で活躍したシンプリシオを獲得。本職はボランチながら、昨季途中からはトップ下も務めて扇原と並ぶチームトップタイの7アシストを記録。
神戸ではボランチで起用されることが有力で、本来のボール奪取能力の高さや飛び出しからの攻撃参加で貢献できるはずだ。このブラジルトリオがしっかりと連係を深めることが出来れば、リーグ屈指の破壊力のある攻撃が展開できる。
さらに、ボランチにはチョン・ウヨンも獲得。J2の京都サンガに在籍した2011年と2012年には、長短織り交ぜたパスで活躍したものの、昨季期限付き移籍したジュビロ磐田では苦戦。降格を争うチームにおいて、13試合の出場に留まり貢献できなかった。
神戸でもシンプリシオに加え、橋本英郎や田中英雄ら層の厚いポジションだけに、開幕までにアピールしたい。
センターバックには、名古屋グランパスから増川隆洋を獲得。191センチの長身で、体を投げ出してシュートブロックする闘争心はチームにプラスとなるうえに、地元兵庫県出身だけに意欲も高い。
しかし、スピードのある相手への対応には不安を残している。また、岩波が負傷のリハビリによって出遅れている。昨シーズン岩波が欠場した試合ではビルドアップの質が下がっていただけに、岩波が一日も早くトップフォームを取り戻すことが望まれる。
人材難のサイドバックには、昨季J2ジェフ千葉で活躍した高橋峻希を獲得。千葉では左サイドバックでの起用だったが、神戸では右が有力。スピードを生かしたドリブルの推進力に加えて左右をこなすユーティリティー性は大きな補強となりそうだ。
そのほか、興國高校からFWの金容輔を獲得。50メートル5秒9のスピードが武器のレフティーだ。ユースからはGKの吉丸絢梓も昇格を果たした。
【次ページ】補強面と総合力それぞれの診断結果