求められる戦術バリエーション増やせる選手
もちろん香川と清武はトップ下、岡崎と工藤は1トップにも適応できる。ニュージーランド戦はたった1試合だが、ザッケローニ監督の中では本大会を見据えたメンバーの見極めはすでに行われており、ある程度そのプランを反映した23人の構成と考えられる。
当然、その中で戦力をブラッシュアップし、場合によってはJリーグや今回は漏れた欧州組から選手の入れ替わりが起こるということだ。
11人のスタメンも完全に固定されたわけではないが、残り期間の中で注目したいのは得点が欲しい時間帯、状況で信頼して投入できるジョーカー、あるいは戦術にバリエーションをもたらす選手だ。今回では工藤や齋藤、さらに言えば既存戦力の大迫、柿谷、清武といった選手たちもスタメンを狙うと同時に、オプションとしての効果も探っていく材料となる。
工藤のゴール前での勝負強さ、齋藤の切れ味鋭いドリブルといった持ち味は、現時点でも指揮官が把握しているところだろうが、日本代表での機能性はチェックの対象になるだろう。
ニュージーランド戦だけで本大会のシミュレーションができるわけではないが、戦力のサンプルを増やすことで、最終メンバー発表までの2ヶ月間あまりでチェックを強化するポジションや選手のタイプを絞ることは可能だ。
今回の構成からザッケローニ監督の“青写真”は浮かんできているが、コロンビアにも負けないザックジャパンなりの充実をはかるラストスパートの先鞭として、ニュージーランド戦は非常に有効な場となる。
もちろん「非常にフィジカルが強く、ここで対戦するにはいい相手」と評価するニュージーランドを相手に勝利すること、戦術面で機能することは大事だが、23人枠を想定したオプションのチェックにも注目する価値はある。
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