「細部にこだわることが大きなものを掴むためには大前提」(権田)
アルベルト・ザッケローニとマッシモ・フィッカデンティの共通性に関しては「守備が細かいというのは、みんなが言うイタリア人っぽいところかなと思います」と言う程度に留まるが、イタリア語に関する話題になると笑みが漏れた。
「権ちゃん(権田修一)を通訳にイタリア語を少し憶えました。よく耳にする言葉。恰好いい言葉を自分でも言ってみたいと思って。チェントロカンピスタ。中盤という意味なんですけれども」(森重)
ディフェンダーを意味するイタリア語は知らないという。パスを出す相手は中盤だから問題ないのだろうが……このおおらかさが、あるいは世界に立ち向かうための武器なのかもしれない。
森重のおおらかさに対し、権田の武器を挙げるとすれば真摯さになるだろう。
「日頃から意識し続けないと。今日は集中してやります、今日は集中しないでやります、とやっている選手が細かいところにこだわれるかといえばそうではない。細部にこだわることが大きなものを掴むためには大前提。絶対に必要な条件なのかと思います」(権田)
ワールドカップイヤーを契機に正キーパーを獲得したのは現在の川島永嗣も同じだ。しかしそれを決めるのは監督であり、自らは精進を重ねてその土俵に上がるしかないとの姿勢は崩さない。
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