経済効果抜群のイルファン。戦力的には未知数
Jリーグがインドネシアスーパーリーグとアジア6ヶ国目となるパートナーシップ協定を締結した翌日、甲府はイルファンの加入会見を行った。このJリーグ初となるインドネシア人プレーヤーは、ツイッターのフォロワー数が現在428万人を超える母国の国民的スターだ。
インドネシアは、2010年の統計で人口が世界第4位の約2億3000万人で、現地ではサッカーは非常に人気の高いスポーツである。そんな人口大国のスターが加入したことで、甲府の名前はインドネシアで一気に知れ渡ったはずだ。
これは、少ない予算のなかで運営する甲府にとって、大きな経済効果を生むだろう。また、山梨県は2013年からインドネシアのガルーダ航空と観光需要喚起のため提携を結んでいる。イルファンの加入で、山梨県にインドネシアからの観光客が増大することになれば、地域の経済にも波及するなど二重の効果を生む補強となりそうだ。
イルファンは、2シャドーの一角か右ウイングバックでの定位置争いが予想されるが、戦力的にプラスになるかは未知数だ。2010年から在籍したインドネシアスーパーリーグのプルセマ・マラン時代には2シーズンで51試合28得点と活躍を見せ、2011年にはインドネシア代表に招集され23試合6得点を記録。
しかし、昨シーズン移籍したタイ・プレミアリーグのチョンブリFCでは、トップチームに定着できず2部リーグにレンタル移籍するなど結果を残せなかった。そして、最近ではインドネシア代表からの招集も見送られる事が多くなった。
そんなイルファンが、アジアトップクラスのJ1で結果を残すには相当な努力が必要だろう。この移籍がマーケティングの面でも戦力の面でも成功となるように、クラブからの最大限のバックアップを期待したい。
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