前線ならどこでもできるポリバレントな選手
そしてようやく、今年の1月1日に謹慎が解けて代表招集が可能な身となったわけだが、それが活力を与えたのか、1月27日の第21節エルチェ戦ではハットトリックを決める大活躍。現在5位という好成績に貢献している。
本人もブラジル大会出場に賭ける思いは相当強いようで、「もしメンバーに入れてもらえるならどのポジションだってかまわない。GKをやれ、と言われても、喜んで受けるよ。第3GKでも第4GKでも、連れて行ってもらえるならば!」とフランスフットボール誌とのインタビューで熱く語っている。
左ウィングの不動のスタメンはフランク・リベリーだが、彼のバックアッパーとして、あるいは、真ん中や右など、複数のポジションをこなせるポリバレントさから見てもグリーズマンは理想的な人材ではある。
昨年の8月、チャンピオンズリーグの予選でレアル・ソシエダがリヨンと対戦した際には、先制ゴールを決めて視察に来ていたデシャン代表監督にアピールした。
その時点では「(招集について)早急に検討するということはない」と指揮官は慎重な発言に留めていたが、現メンバーのストライカー2枚看板、カリム・ベンゼマ(14得点)、オリビエ・ジルー(12得点)よりも高得点を叩き出している今、国内メディアでは期待論の範疇を超え、『デシャンはグリーズマンを無視できるのか?』と、招集を迫る勢いの論調にシフトしている。
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