リヨンでは不合格。ソシエダが発掘
3月5日のオランダ戦に出場するフランス代表のメンバーが、27日(木)に発表されるが、現在フランス国内で注目を集めているのは、夏のW杯直前のテストマッチまでで最後となる今回のこの親善試合で、デシャン監督が果たして新メンバーを招集するか否か、だ。
中でも、メンバー入りを求める声が高まっているのが、リーガ・エスパニョーラのレアル・ソシエダで今季絶好調の左ウィンガー、アントワン・グリーズマン。今季はこれまで15得点をマークし、クリスティアーノ・ロナウド、ディエゴ・コスタに次いでリーガの得点ランク3位につけている。
3月21日に23歳になるグリーズマンは、美味しいワインの産地で知られるブルゴーニュ地方マコンの出身。父親もコーチスタッフを務める地元のアマチュアクラブで育つ。13歳になるとプロクラブの入団テストを受けるようになったが、結果は芳しくなかった。
地元の古豪オセールからは断られ、子供の頃から憧れのクラブだったリヨンからも「体は小さいし、スピードも平凡」と、合格通知をもらうことはできなかった。
そんな折、パリで行われたサッカー大会で彼の才能を見初めたのが、スペインからスカウティングに来ていたレアル・ソシエダだった。そのときまだ14歳だったが、親元を離れてスペインに移住することを決意したアントワン少年は、ホストファミリーの世話になりながら地元の学校に通い、18歳でプロデビューを果たすのだった。
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