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本田圭佑 11年前

効いていた右サイドでの動き。セードルフ監督が本田をトップ下に置かない戦術的な理由

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

本田をトップ下に置かない理由

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本田を右サイドに置く戦術上の理由とは【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 ならば何故、本田をサイドに押し込めるのではなく、本来のトップ下として起用しボールを触らせないのか、カカーというならともかくなぜサポナーラやポーリがトップ下なのだ、という疑問も湧いてくる。

 試合後の会見で「なぜ本田は右なのか」と質問を振られたセードルフ監督は「それがいいと思ったから本田を右で使った」と語った。肝心なその真意までは話さずにかわされたが、サンプドリア戦やCLのアトレティコ・マドリー戦を見るに、本人のプレーの特性だけではなくチーム戦術上の事情も関係しているようだ。

 守備のコンパクトネスを向上させるため、セードルフ監督はこの2戦で、システムを守備の際に4-4-2へと整えるようにしている。そしてその中で、サポナーラもポーリも司令塔的なトップ下して機能を求められていなかった。

 サンプ戦でサポナーラはセカンドトップとして左右のスペースへと頻繁に流れ、またA.マドリー戦でのポーリは一列下がり、第3のボランチとしての仕事を求められていた。

 たしかに、こういったタスクを要求するならば本田よりも彼らだ。そして監督がサンプ戦でサイドからの組み立てを求めていたとすれば、本田をそちらへ流そうという考えも理解は出来る。

 もっとも、右足でボールが持てず、右サイドだと縦を切られる本田が本当に右でいいのか、などという別の疑問も出てくる。だが現状、指揮官がチーム編成上それを求めるのならば従って結果を出さなければならないし、本田自身もそれを自覚してかサンプ戦では積極的に動こうとしていた。

「彼自身はサイドでも中でもどこでもこなせるし、何よりそれをこなそうという気持ちがあるからそれで十分。これはもう2度も3度も言っているでしょう」

 セードルフは、ややうんざりした様子で語っていた。それで良しとするならば、指揮官の方向性と本田自身の頑張りを信じて活躍を追う他はない。早いうちにゴールなどの結果に結びつくよう願いたい。

【了】

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