下平の放出、守備陣に残る不安
昨季前半戦のみで8得点を挙げて快進撃の立役者として活躍したノヴァコヴィッチの抜けた穴には、ラドンチッチを補強した。
ラドンチッチは、清水エスパルスに在籍した昨季後半戦で15試合6得点と得点を量産。その得点力に加えて193cmの長身を生かしたポストプレーも武器で、家長とコンビでタメを作る事が出来る。さらに、長身を生かして空中戦に競り勝てば2次、3次と攻撃に厚みを持たせる事も出来るはずだ。
そして、懸念されるのはディフェンスライン。左サイドバックとして、総数でチームトップのパスを出し、サイド攻撃の中心だった下平が横浜F・マリノスに移籍。後方からのビルアップ力の低下は必至だ。
そのサイドバックには、左右をこなす中村北斗をFC東京から獲得したものの、怪我の影響もあって昨季は出場ゼロ。中村も大熊監督のもとで05年ワールドユースと10~11年にFC東京でプレーしいるだけに、かつての恩師のもと、本人も復活への意欲を示しているが、今キャンプでも腰痛を発症。トップフォームを取り戻せるか不安がある。
さらに、その左サイドバックには中央大から高瀬優孝獲得。左サイドを90分間アップダウンするスタミナもあり、正確なクロスも武器。キャンプでのアピール次第では、定位置獲得の可能性もある。
そのほか、藤井悠太も東洋大から入団。スピードがあり、1対1の守備にも定評があるセンターバックで、1年目から菊地光将と高橋祥平に定位置争いを挑みたい。
ユースからは、昨季2種登録されていたU-18日本代表の大山啓輔が昇格。豊富なスタミナと高いテクニックは、中村憲剛を彷彿とさせるミッドフィールダーで、大宮アルディージャジュニア1期生で生粋の生え抜きだ。4年間欠番となっていた斉藤雅人氏の背番号15を託されるなど、大きな期待を寄せられている。