クラブ再建のため抜本的な改革
昨シーズンの名古屋は、ボールを支配しながらも、カウンターから失点をするケースが多く見られた。これは、長期政権であるために相手に研究され尽くしてしまったためだろう。
さらに、ストイコビッチ監督が2010年の優勝メンバーに固執するあまり、メンバーにも戦術にも循環が生まれずマンネリ化したことや、高齢化によって攻守の切り替えが圧倒的に遅かった。
さらに、名古屋は12年、13年と連続して赤字を計上。3年連続で赤字を計上すれば、クラブライセンス制度によって処分を受ける可能性があるため、高額な主力を放出する必要に迫られた。
このような事情から、クラブは抜本的な改革を決定。6年間チームを率いて、J1制覇に導いた功労者のストイコビッチ監督の退任を発表した。
そして、今季からチームを率いるのは西野朗監督。ガンバ大阪を10年間に渡って指揮しJ1、天皇杯、ナビスコカップ、そしてACLと全ての主要大会を制した経験もある。
西野監督の志向する「超攻撃スタイル」は、ストイコビッチ前監督が根付かせた「美しく勝つサッカー」を継承しつつ、発展させるものとして期待される。
新たな船出となる今季は、枝村匠馬を期限付きで獲得。非凡なパスセンスは西野監督も高く評価している。
さらに、大幅に選手が入れ替わるディフェンスラインには、東京ヴェルディから刀根亮輔を獲得した。
そして、小屋松、青木、松田、矢田ら有望な新卒に加え、16歳の杉森もトップチームに昇格した。
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