「豪州の将来を担う逸材」ロギッチ
先日のプレーオフ勝利でACLの参加権を得たのがメルボルン・ビクトリー。今季開幕直後に代表監督就任のために退団したポスタコグルーの遺産とも言える、多くの若手有望株を抱えるクラブの将来は明るい。
それらの選手の多くが現在トップ・チームでのプレー機会を得ているが、ここでは彼ら生え抜きでは無く、名門セルテイックからレンタル移籍で先月、加入した現役豪州代表のトム・ロギッチを推したい。
ロギッチは、早くから「豪州の将来を担う逸材」と目され、昨季終了後にセントラルコーストからスコットランドの名門セルテイックに移籍。しかし、そこでなかなか出場機会を得られず、W杯に向けてプレー機会確保を目的のレンタル移籍を画策、それをクラブが容認。複数のAリーグクラブが競合する中で、メルボルンが今季終了までのレンタルでのロギッチの獲得に成功した。
司令塔タイプの選手にしては、長身の187㎝という体格に恵まれたロギッチ。体型には似合わぬ俊敏なテクニックを駆使したドリブルで、相手をかわしてから決定的なパスを繰り出す大型MF。
機を見て放つミドルシュートも強烈で、得点能力も高い。弱点らしい弱点は見当たらないが、若さゆえの気持ちがプレーに表れやすく、若干調子の波が大きいところは改善の余地がある。
メルボルンⅤ移籍直後からすぐにチームに馴染み、レギュラーを奪取、セレッソに移籍したミッチ・ニコルスの穴を埋めて余りある存在感を発している。今の好調を持続してコンディションを高めて行けば、来るW杯で大ブレークも夢ではない。
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