負担を上回るリバプールを通して得られるもの
代表の田丸さんは、組織改革の一環として、LSCJが果たすべき役割を「ファンとファンをつなぐ」「ファンとクラブをつなぐ」ことに再定義し、今後はクラブに対してより直接的な貢献が出来るような体制を構築していきたいと意気込む。
喫緊の課題として改善に取り組んでいるのは、関東とそれ以外のエリアにおける、活動レベルの差異の縮小だ。フットサル大会や試合観戦会等は、活動拠点である関東での開催が中心となるがゆえに、遠隔地の会員が参加しづらい状況が生じてしまう。
この状況を改善するため、まずは静岡と大阪、そして福岡にスタッフを新たに配置した。試合観戦会を中心としたイベントを関東以外でも積極開催できる体制を整備したことで、2013-14シーズンは大阪・福岡の新規入会者数が大幅に増加。静岡においても観戦会には10人以上がコンスタントに集まるという。
海外クラブのサポーターとしての活動には、小さくない負荷を伴う。国内でテレビ観戦をするには、時差の関係で真夜中の起床を余儀なくされることも多い。さらに現地へスタジアム観戦するとなれば多額の出費がかさむ。
そんな中で、試合結果や選手移籍に一喜一憂しながら喜怒哀楽を共有していける仲間のコミュニティーは、サポーターとしての幸せをより大きなものにしてくれる貴重な財産だろう。
現地観戦時の宿の手配も含め、LSCJにおける様々な会員サポートを引き受けている田丸さんは、運営業務について「楽じゃないですよ」と本音を漏らしつつも、「会員の数が増えてくれるのはやはり嬉しいですね」と言う。
リバプールFCの数年に渡るピッチ上での結果低迷をよそに、会員数の大幅増加に成功してきたサポーターズクラブ日本支部。その背景には、運営スタッフがそれぞれ持つ経験やスキル、そしてキャラクターを活かしながら運営改善に取り組む姿が存在していた。
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