大きかった大前の復帰
2013年の清水は、苦難の船出となった。キャンプからトリプルボランチを採用したが、守備の出来ないバレーとの相性が悪く、中央に生まれたスペースを使われて大量失点。公式戦6試合で18失点を喫した。
その後は、杉山がボランチの位置から前線まで上がってプレスかける事で守備が安定。それでも、カウンターとセットプレーからバレーの1発に頼るサッカーでは流れをつかむ事は出来ず、前半戦11位と苦しんだ。
そのバレーも後半からは中国に移籍。しかし、バレー移籍によって補強に動いた事で状況が好転。ラドンチッチ、本田拓也、大前元紀と獲得した3選手が大きく貢献した。
デュッセルドルフから期限付きで復帰した大前は、出場14試合ながらチームトップの7得点を記録。ラドンチッチも6得点を挙げ、鹿島から復帰した本田が後方からのパスでチャンスを演出するなど、攻撃力が大幅にアップ。終盤の巻き返しによって、2012年と同じ9位で終えた。
ゴトビ監督も4年目を迎え、結果を残したい今季はラドンチッチに代わって、大宮アルディージャで活躍したノヴァコヴィッチを獲得。さらに、クロアチア出身でカナダ代表のDFデヤン・ヤンコビッチに加え、ユトレヒトから高木善朗も獲得した。
一方で、第29節のサガン鳥栖戦で自身初のハットトリックを達成するなど、成長を見せていた伊藤翔を横浜F・マリノスに放出した。
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