サッカーを愛するすべての人に贈りたい“サッカー本”
「サッカー本大賞」と「読者賞」のW受賞となった近藤篤氏は、授賞式の壇上で製作に携わってくれたスタッフやボールの周辺の人々に対する感謝の言葉を述べ、サッカーへの思いを語った。
「僕はサッカーの向こう側にある不思議な響きを持つ人の名前、国の名前、土地の名前、そういうものに憧れてずっと今までやってきました。その感覚は今でもあります。これからどうサッカーと関わっていくか、今はまだわからないけれど、とりあえずサッカーに出会えたことはとても幸せなことだったなと思います」
「翻訳サッカー本大賞」を受賞した田邊雅之氏は、2006年に刊行された本書を翻訳出版するまでの過程を丁寧に語ってくれた。
「まさかこのような賞をいただけると思っていなかったので、とても感激しています。この本は2006年に発行されて、僕自身がものすごく好きだった本です。なんとかして本書を日本で翻訳することはできないかと考え、それからずっと長い年月をかけてちょっとずつ出版する道を探してきました」
2014年は4年に一度のワールドカップイヤー。審査を終えた選考委員長の佐山一郎氏が「みんなで作り上げていく手作り感のある、言いたいことを言い合えるような“開かれた賞”として今後も長く続いていけばいいと思っています」と語ったとおり、今後「サッカー本大賞」がどのように成長していくのかは、サッカーを愛するすべての人たちの手に委ねられているのかもしれない――。