ロナウド、ベイルの負傷で得たチャンスものに
この一年目とは思えない成熟は、若くして父親であることも関係しているのかもしれない。ヘセには今年、2歳を迎える息子がいるのだ。現在は母親と共にラス・パルマスに住んでいるが、彼にとって愛息の存在は最高のモチベーションになっており、実際、現在のようにヘセが爆発し始めたのは、息子が生まれてからだとも言われているほどだ。
もともと、家族思いで、薬局を営む父親を仕事から解放してあげるのが夢だったといい、トップチームの選手になった途端にその約束を有言実行、両親のためにラス・パルマスの中心地側に家を買い、父親には仕事を引退させたという。家族の名と息子の名で覆われたタトゥーには、そんなヘセの家族のへの愛情が込められているのだ。
ベンゼマ、ディ・マリアなどに次ぐ5番手のほぼ可能性のないアタッカーだったヘセだが、ロナウドやベイルの欠場もあり、チャンスを与えられる度に確実にピッチで点数を稼ぎ、とうとうカルロ・アンチェロッティ監督の信頼を得て、スタメンリストを悩ませるまでに成長した。
最近の6試合では5ゴールを決め、まさに絶好調だがそんなヘセに残されている課題がチャンピオンズリーグ(CL)だ。
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