アーリアやカチャルなどユーティリティ性の高い選手を次々と獲得
主力選手のほとんどを残留させることに成功し、大幅な戦力ダウンを免れたC大阪。補強の最優先事項だった中盤には、F東京から早々に長谷川アーリアジャスールを補填した。チームは昨シーズンの4-2-3-1を踏襲すると見られており、中盤ならどこでもプレーできる長谷川の補強は、コストパフォーマンスを考慮してもかなり効果的なものであった。
さらに、攻撃的なオプションとしてオーストラリア代表MFミッチ・ニコルスの獲得にも成功。ミッチ・ニコルスはテクニック溢れるゲームメイカータイプで、チャンスメイクに秀でた選手という触れ込みだ。周囲の選手との連携面こそまだまだだが、裏への抜け出しを得意とする柿谷とのホットラインが構築できれば、相手にとって脅威になるはずだ。
この他にも長野で経験を積んだ岡田武瑠が復帰し、靭帯断裂で昨シーズンを棒に振った“秘密兵器”吉野峻光もコンディションを上げつつある。また、ハンブルガーSVに所属するセルビア代表経験のあるMFゴイコ・カチャルも獲得が濃厚と見られている。カチャルもこれまたユーティリティ性に富む中盤の選手で、同国のU-21代表ではMFながら1試合5得点を記録したこともある実力派だ。
いずれにしても、C大阪の懸案事項であった中盤の戦力補強はまずまずの形で整った。シンプリシオがチームを離れることで守備には若干の不安を残すが、これがランコ・ポポヴィッチ新監督の目指すスタイルなのだろう。
昨シーズンのベストヤングプレーヤー賞を獲得した南野拓実も「サッカーをやっている以上ポジション争いは当たり前」と話す通り、熾烈なポジション争いが繰り広げられそうである。
【次ページ】単純な得点力増加だけではないフォルラン効果