「とにかく試合に勝てる監督、それがベストな監督だと私は思う」
――監督には2通りある気がします。手元にある選手の能力を引き出して、その中でできる限りベストな戦術を組み立てる監督。もうひとつは、自分が理想とする戦術を選手に植え付けられる監督。ブラン監督にとって、理想的な監督像とは?
「試合に勝つ監督だ。どんな方法であってもね。それが私にとっての理想の監督だ。2つのどちらも、極言すれば正しい。
しかし監督業は常にプレッシャーと隣り合わせだ。好きなだけ時間がかけられるなら、いろいろなことができるだろう。でもそんな時間は与えてはもらえない。ならば、どんな方法であってもとにかく試合に勝てる監督、それがベストな監督だと私は思う」
――古巣のマンチェスター・ユナイテッドではモイーズ監督が苦戦しています。あれほど優秀な選手が揃っていても勝つことは難しい……。
「怪我人が多発したのも厳しかっただろうし、ある意味での『良い』選手には不足しているのかもしれない。モイーズはエバートン時代に手腕は十分証明しているし、アレックス(・ファーガソン)の後を引き継ぐのは誰にとっても容易じゃない。
しかし、マンチェスター・ユナイテッドは、必ずやまたいつものポジションに戻ってくる、ということだけは確信できる。多少時間がかかったとしてもね」
【了】