バルサを信望。ボールを保持する意味とは?
――バイエルン相手でも、3トップの強気で臨みますか? それとも、より守備も意識したシステムを……。
「わからない。しかし、バイエルンを相手に戦うときに、『きっちりディフェンスしなければ』と思ったとしたら、それが敗戦への最短コースだ。バルサでもそう。彼らを止めよう、と思って試合に臨めば負ける。
強豪と対戦するときには、『やっつけてやる』というくらいの野心をもって挑まなければだめだ。しかし、サッカーのレベルという点について言えば、PSGは十分バイエルンに拮抗できるだけの力を備えているとわたしは思っている」
――バルセロナも、対戦を避けたい相手ですよね。
「バルセロナ、バイエルン・ミュンヘン……、いずれは相見えなければならないとしても、互いが互いの道を平行に進み、最後の最後で交わる、というのを望むね」
――バルセロナのプレースタイルを信望していると、前から発言されていますが、PSGで実現したいのもそのようなスタイルですか?
「そうだ。フットボールというゲームにおいては、ボールを保持するということは、たとえそれが勝利を保証するものでないとしても、勝利の可能性を確実に上げることができる、というのがわたしの信条だ。
だからPSGでもディフェンスするよりも、とにかくボールのポゼッションを勝ち取ることを最優先に指導している。もちろん、相手チームがより攻撃面で優れている場合には、ディフェンスも必要だ。
しかし現時点で、フランスリーグにおいては、ほとんどの試合で我々は60-70%のボールポゼッションを実現している。これが意味することは、全試合時間の70%は我々が主導権を持ってゲームを展開し、30%だけディフェンスしていたということだ。
相手チームにとっては、攻撃時間が30%で、守備が70%ということになる。わたしの哲学は、ボールがこちらの手にさえあれば、我々がゲームを主導し、その間相手をディフェンスの状態にさせることができる、というものだ」