スカウトが語る。優秀な選手を輩出する理由
ペレのいた時代から、ロビーニョ=ジエゴ、そしてネイマール=ガンソまで、サントスはブラジル人の愛する、フッチボウ・アルチを貫き通してきた。
ブラジルに数多のサッカークラブがある中、どうして冴えない小さな港町にある、サントスがフッチボウ・アルチを体現する選手を継続的に輩出してきたのか――。
サントスの下部組織でスカウトを務めるギリェルメ・ドス・パッソス・ゴメスにこの質問をぶつけたことがある。
すると「この間も訊ねられた。同じ答えを繰り返していいかい?」と悪戯っぽく笑った。
「サントスの海岸ではいつでもボールを蹴ることが出来る。ここの砂の質は固いのが特徴だ。きちんとボールを扱う技術が必要となってくる。それがサントスFCから優れた選手が出てくる理由の一つだろう」
ギリェルメもまたサントスの下部組織で育った。プロ契約の年代になった頃、怪我をしたこともあり、フットサルチームでプレーするようになった。4年前からサントスの下部組織に関わるようになった。
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