サントスのフッチボウ・アルチ
『サントス~美しきブラジリアン・サッカー』上映後のトークショーに登壇。白黒のサントスカラーの服装で話す田崎氏【写真提供:ヨコハマ・フット ボール映画祭】
先日、ヨコハマフットボール映画祭のゲストに呼ばれ、『サントス~美しきブラジリアン・サッカー』上映後のトークショーに登壇してきた。
サントスFCの百周年を記念して作られたこの映画は、ペレの時代からネイマールたちがリベルタドーレス杯を獲得するまでを多くの人の証言を交えて追いかけている。
個人的には、サントスがネイマールを欠きながら9-1で大勝する試合(この連載でも取りあげたジュニーニョ・パウリスタのいたイトゥアーノが相手だった――)をスタジアムで見ていたので非常に感慨深かった。エメルソン・レオン、カルロス・アルベルト・トーレス、そしてリマと自分が取材してきた人間が出演していたことも嬉しかった。
そして映画を見終わった後、原題を改めて噛みしめた。原題はポルトガル語で『SANTOS 100 ANOS DE FUTEBOL ARTE』――直訳すれば、『サントス、フッチボウ・アルチ(芸術サッカー)の百年』という。
映画の中でサポーターがサントスのサッカーの魅力を「3点取られても4点取り返す」「勝つのは当たり前だ。問題はどのように勝つか」などと口々語っていた。堅守で勝つのではない、攻撃的に美しく勝つ、それがフッチボウ・アルチである。
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