ルーニーという絶対的な存在
それには大きな理由がある。本来ならば、攻撃的MFより前の位置であればどこでもプレーできるルーニーがトップ下に固定されているからだ。昨季はルーニーもファーガソン前監督から中央MFや左MFでの起用を告げられたことがあった。だが彼の場合は、その起用法に不満を示し、FWでプレーすることへのこだわりを見せ、移籍も辞さない覚悟を示した。
ファーガソンは、「選手はチームを第一に考えるべきであり、チームのためならどのポジションでもプレーすべき」という持論を説いたが、自分が一番活きるポジションを知っているルーニーからすれば、中盤へのコンバートは自身の選手生命を脅かすものにさえ感じたのかもしれない。
現に昨夏の移籍市場では、オファーのあったチェルシーへの移籍も囁かれたが、同クラブとの直接対決で大活躍したことで、ファンだけでなくモイーズ監督の信頼も勝ち獲り、残留を決意した。
ルーニーはかつて、自分のプレースタイルについてこう語っていたことがある。
「僕のポジションはストライカーだ。でも、なかなかボールが来ない時は、下がってボールを追うし、相手からボールを奪ってから攻撃を組み立てる。だから僕は守備にも積極的に参加するし、それが僕のスタイルだと思っている」
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