ポジション別分析【FW、MF】
【フォワード】
これまで確固たるエースストライカー不在だったFC東京に出現した待望の背番号9が渡邉千真だ。昨シーズンは後半に得点が止まったとはいえリーグ戦17ゴールは立派な結果。また二年間のブランクを経て公式戦のピッチへと復帰した平山相太も完全に得点感覚を取り戻しており、その吸い込み力溢れるポストプレーとともに前線の仕事を任せられる人材だ。
このふたりだけでも十分なのに、ブンデスリーガで計八シーズンプレーしたエドゥーが加わり、選手層は申し分ない。彼らが武藤嘉紀、河野広貴、石川直宏と言った面々と組む3トップは強力。より守備に注意を払いバランスをとりながら攻撃参加人数を絞る戦い方を採る今シーズン、昨年並みの得点力を維持できればたいしたものだ。
【ミッドフィルダー】
フィッカデンティ監督の採用する4-3-3(4-1-2-3)の中盤はインサイドハーフとなり、攻守両方に機能しつつ連動して動き、チームのバランスを崩さないことが求められる。もちろん運動量も重要だ。
この理由からか、高橋秀人、米本拓司、東慶悟といったハードワークできる選手が中盤に選抜されている。またボランチを基本により攻撃的なサイドハーフでのプレーが可能な三田啓貴、同様にボランチを基本にセンターバックの経験がある野澤英之も候補に入ってくるだろう。
長谷川アーリアジャスールの移籍を嘆く声もあるが、守備力、運動量、スピードが求められる今シーズンのチームに適したポジションがあったかどうかは疑問。時間が経てば梶山陽平の復帰も期待でき、大きな問題はない。むろん、さらに一枚質の高い選手を加えられるのなら、そうしたほうがいいことにちがいはないのだが。
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