コミュ力が高い新加入選手
出場機会の少なかった選手が移籍、年々濃密になっていくチームに分け入るにはそれなりの覚悟が必要だ。そこへ行くと、今シーズンの新加入選手がイキがいい。
なにしろ四人のうち三人が関西である。桃山学院大学から加入の圍謙太朗はTV番組『やべっちF.C.』内「デジっちが行く2014!」とファン感謝イベント「FC東京フェスティバル2014 presented by 東京ガスライフバル」で上半身裸になっての奇妙な踊りを披露。
いじられながらのボケを得意とする最年少高卒ルーキーの平岡翼はやはり同じファン感謝イベントで前田敦子のコスプレものまねを敢行するなど、人前に立つ度胸はたいしたもの。
新人のなかで唯一、関東出身の武藤嘉紀は、さわやかなイケメン顔でいじり・いじられの輪を回避しているかとおもいきや、彼も「デジっちが行く2014!」収録時におどけていたことが判明。
圍によって「ほんとうはあのあと、よっち(武藤)もやっていたんですけれども、カットされてしまって」という内情が暴露されており、恥をかくことを恐れないメンタリティを保持していることがわかる。
そしてそもそも、いじられずに済んでいる松田陸もすごい。同期連中を締め、ヤンキー顔で睨みをきかせる彼の迫力には新人離れした頼もしさがある。
いずれも取材の受け答えに動じるところはなく、堂々としたものだ。このコミュ力の高さとへこたれない人間性は、チーム力を見えない部分で支えるはず。隠れた好材料と言える。
信頼と実績のレンタルバック組
出場機会を求めて他クラブへと期限付き移籍していた羽生直剛、椋原健太、幸野志有人、梶山陽平は能力の点で申し分なし。まずけがを治すことが当面のミッションとなる梶山を除き、三人とも即戦力だ。
羽生にはルーカスが果たしていたベテランの役割を担うだけの精神的なキャパシティがありそうだし、一昨年に選手会長を務めていた椋原は、昨年から引きつづき選手会長の廣永遼太郎を支えるだろう。
V・ファーレン長崎で主力となった幸野志有人は期限付き移籍組のお手本としての存在感がある。キャプテンの森重真人も「自信をつけていることがわかる。そこが以前とちがう」と、成長ぶりを認めている。
他クラブからの大物日本人選手獲得はなかったが、彼ら期限付き移籍から復帰した選手たちが、実質的な補強と言えるだろう。