補強面と総合力それぞれの診断結果
補強診断 C+
守備陣へのテコ入れを図った効果的な補強
経験豊富で、精神的支柱となる選手が今オフの最大の補強ポイントだった。この点において金沢にかかる期待は大きい。磐田、FC東京でリーグ優勝、ナビスコカップ制覇に貢献し、多くの日本を代表する選手ともプレーをしている。その経験が若い選手が多いチームにとってもたらす影響は大きい。
攻撃陣の顔ぶれは大きな変化はない。一度は契約満了となった青木孝が再契約をし、平繁、エデル、昨シーズン途中、レンタルで加入したダニエル・ロビーニョ、永田、小林とそれぞれ特徴を持った選手がおり、キャプテンの平繁を中心に、様々な組み合わせが可能だ。ここに大宮からレンタル加入の宮崎、新人の大津がどこまで絡んでこられるかがチーム力アップへのカギとなる。
また、リーグワースト5位タイの失点数を喫した守備陣の改善は必要不可欠だ。青木良、岩丸という2人の補強はその意志の表れ。今季は昨シーズン終盤から採用している4バックがベースとなりそうだが、早い段階での守備組織の確立が求められる。
また、チャレンジャーズチームからの昇格となる久富は、練習試合を見せていた。働きながらサッカーをプレーするというザスパクサツ群馬の「原点」を知っている選手なだけに、活躍を期待したい。
総合力 C
2年目、真価が問われる秋葉監督の手腕
昨シーズンは秋葉監督が初めての監督業であり、開幕から3バックと4バックを兼用し、組織作りに遅れた感は否めなかった。しかし、今季は秋葉監督も2年目、昨年の主軸はほぼ残留。ベースは残っている状態からのスタートだ。そこにどれだけチーム力を上乗せできるかが目標達成に向けて重要なポイントとなる。
派手な補強はないが、ピンポイントで必要な補強もなされ、下位で低迷を続け、植木社長が目標をJ2残留に目標を下方修正する「共闘」という声明を出した昨シーズンの二の舞は必ず避けなければならない。
なぜならホームグラウンドである正田醤油スタジアム群馬はホーム開幕戦に合わせ、J1規格になり、J1ライセンスは交付されたものの、3期連続の赤字決算と苦しい財政事情は変わらないからだ。
今シーズンのクラブのスローガンは行政もスポンサーもサポーターも「ひとつになって」。しかし、まずはチームがピッチの上で結果を出さなければならない。今年は今後の群馬にとって大切なシーズンとなる。
【了】