連携なく、あまりに消極的
「Moyes doesn’t like creative players.」(モイーズはクリエイティブな選手が好きじゃないんだ)
これは、香川が出場機会を与えられていなかった今季開幕直後、親交あるデイリー・テレグラフのマーク・オグデン記者が、つぶやくように発した言葉だった。
妙なことを言うなと思った。この時は、モイーズがマンチェスター・U監督に就任したばかりで、その方針、スタイルをつかみきれてなかったということもあって、“どこにクリエイティブな選手を嫌う監督がいるのだろう”と思った。
しかし2月12日のアーセナル戦で26試合を消化して、モイーズの全貌がほぼ見えた今、この「好きじゃない」を「使い方が分からない」と置き換えると納得できる。
9日、フラム戦の後半ロスタイムに痛恨の同点弾を食らったモイーズは、この試合で心底失点を恐れた。それは、先週の日曜日、リバプールに5ゴールを奪われたアーセナルのベンゲル監督も同様だった。
アーセナルはポゼッションを支配したにも関わらず、ここぞというところで最前線に人数をかけなかった。一方のマンチェスター・Uはもっと消極的で、ファン・ペルシー以外はボールを越えて相手側に侵入せず。全く押し上げなかった。
こんな守備的な展開では、中盤にスペースがなくなり、膠着する。とくにボールを持たないマンチェスター・Uは、パスカットしてそこからボールを奪った選手がドリブルで前に出るという、あきれるほど連携がない戦い方をした。
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