右足も磨くべき理由
また本田はこの日、右足で2度クロスを上げている。利き足ではないが、この精度ももっと追求して欲しいところだ。もはやどの相手も左足でのカットインを警戒し、ゴールへと向かせない守備をするようになった。
両足を同様に使えるエルナネスを例に出すのは極端にしても、右でのプレーも磨かなければ選択肢を狭まれる事になる。これは、ポジションをサイドからトップ下に移してもつきまとう問題だろう。
この試合、本田のボールロストでピンチを招くシーンはなかったし、ミスパスもなかった。だが1対1でチャレンジをするという姿勢も、前回出場したトリノ戦に比べても減っていた。
攻撃のポジションでリスクを冒さなければ、客からブーイングを浴びても仕方がない。カカーも不調でロストは多かったが、チャレンジするべき場面でミスの恐怖から逃げてはいなかったという見方も出来るかもしれない。
「与えられたポジションでベストを尽くす」
一般的に新入団選手はこう口にするが、監督や周囲の選手の信頼を得る上ではやはり基本だ。今のミランというチームが本田の能力や特性を活かす方向に回っていないのかもしれないが、その中でもやれること、出来ることを追求し、信頼を勝ち取って行って欲しいものである。
【了】
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