「ターラブの方がスピードがあり、より思い切って挑む、厚かましいプレーができる」
本田のみならず、終盤までボローニャを攻略できなかったチーム全体のパフォーマンスの低さを指摘したクッロ記者。そして、現状でどの試合後も指摘されるポジションの問題だ。
クラレンス・セードルフ監督の標榜する4-2-3-1システムの1トップ下の3選手の並びは、この日、右から本田、トップ下カカ、左ターラブとなっている。右サイドで本田が苦しみ、ゴール前での効果的なプレーがなかなかできていない状況を分析した。
そして、次は本田自身の資質に切り込んだ。
「本田はもう少しスピードのある選手かと思ったが、彼にはスピードがない。1対1で、敵を抜くようなプレーができない。ターラブとはそこが違う。本田は技術的にはターラブよりも優れているかもしれないが、ターラブの方がスピードがあり、より思い切って挑む、厚かましいプレーができる。
本田はより臆病。でもそれはポジションの問題もあるのかもしれない。残念ながら、ブーイングも助けにはならない」口調は厳しかった。
またしても指摘されたのはスピードの欠如。ドリブルでの突破力も必要とされるサイドでは本田の遅さが弱点と映ってしまうのか。本田よりも後に加入したモロッコ代表MFアデル・ターラブはタッチライン際で積極的な仕掛けを見せ、アピールを続けている。
しかし、元々スピードを武器としていない司令塔に対する資質的な部分よりも、「臆病」という形容詞を冠せられてしまうことが一番の問題だろう。積極的にしかけることができないサイドの選手に存在意義を見いだすのは難しい。
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