「我々が1歩、2歩進んだその先に、ペップは到達した」
称賛のすべてがさらなる進化への責任を意味していると、ペップは心得ている。何より本人が、かつてバルセロナで成し遂げたように、今後数年間で世界のサッカーシーンに最大級のベンチマークを残すべく、チームをさらに成長させたがっていることに疑いの余地はない。
クラブの外からの目も、疑念ではなく称賛をペップ・バイエルンに向けている。プレースタイルが自分たちと違うことなど関係なく、むしろ興味を深める理由となっている。
ドイツサッカー連盟の指導者教育部門トップであるフランク・ヴォルムートは、ペップが用いている手法に目を凝らしてきた一人だ。
「80%はバルセロナだが、ペップはそこにさらなる可変性をトッピングしている。それに、もちろん彼にはそのために必要な技術を備えた選手たちを手にしているんだ」というのが、彼の分析だ。
クラブ幹部たちも、当初持っていた懸念を過去のものとした。かつての疑念を捨て去り、ペップの手腕を称賛しているのだ。
「スタジアムへと入っていき、我々のチームがプレーする様を見ることが喜びとなっている。夏に我々はこう話していた。3冠以上のものを手にすることなど不可能だ、とね。だが再び、我々はさらなるものを手に入れたんだ」
昨年12月、会長のカール=ハインツ・ルンメニゲは興奮してこう続けた。
「我々が1歩、2歩進んだその先に、ペップは到達した。チームはさらに多様性を増し、新しいレベルの中でプレーしている」
喜びに浸るルンメニゲは、「バイエルン・ミュンヘンに寄せられるリスペクトの念が、これほどまでに高まったことはない。同様にクラブも、これほどの高みにたどり着いたことはなかった」と話を締めくくった。
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