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昨季4冠も1年で退団。INAC神戸・石原孝尚前監督はなぜアメリカへ挑戦するのか?

text by 馬見新拓郎 photo by Takuro Mamishin

なでしこリーグとの違い

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石原監督はアメリカ女子サッカーへ挑む【写真:Takuro Mamishin】

――スカイブルーが戦うNWSLと、なでしこリーグの違いはどこにありますか?

「NWSLは4月から8月までの短いリーグで、9チームでのレギュラーシーズンを経て、上位4チームがチャンピオンシップに進みます。昨季のスカイブルーはチャンピオンシップには進出しました。アメリカ女子プロサッカーリーグ(WPS)が2011年に消滅してしまった分、今回はリーグ全体の仕組みをしっかりしようという意図を感じます」

――なでしこジャパンの鮫島彩選手がヒューストン・ダッシュに、川澄奈穂美選手がシアトルレインFCに移籍することになり、注目が集まっています。

「それだけでなく、アメリカ、カナダ、メキシコの代表選手がNWSLで多くプレーするんですが、これは各国のサッカー協会が、NWSLでプレーしやすい環境を整えているからで、この3ヶ国が世界大会で互いにいい結果を残すための施策です。アメリカは自国の代表選手の給料を支払って管理しています。

 まず来年のカナダ女子W杯に向けて、この協力体制でリーグ運営されているし、有望選手を割り振るドラフトもそのひとつ。今、アメリカはNWSLを世界最高のリーグにしようとしています。

 僕は2020年の東京五輪までに、世界最高の女子サッカーリーグが日本で行われていることが理想だと考えています。だからNWSLのような仕組みやアメリカ女子代表の取り組みを、アジアで連係して構築したり、なでしこジャパンに取り入れられる可能性があるのか、確かめてみたいと思っています」

――アメリカ挑戦は2020年へのステップだと。

「INACや日テレ・ベレーザだけが強いだけだと、大きな共感を得られないかもしれないけど、今でいうアメリカ女子代表のワンバックやブラジル女子代表のマルタといった選手が、普段から日本でプレーして、五輪では各国の代表としてまた戦う仕組みを作れば、女子サッカーの楽しさが広がると思います。

 その結果がなでしこジャパンの金メダルだと思うんです。現状を考えると選手が海外でプレーすることも、選択肢として考えた方がいいのは確かなんですが」

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