藤本、三門、下平。戦力アップの期待できる新戦力
今シーズンの鍵を握りそうなのは、やはり1トップ争いだ。矢島が182センチで、伊藤が184センチ、藤田が185センチで、前田遼一の獲得を目指していたことを考慮しても、前線でポスト役となれる長身のFWを求めていたことが分かる。
3人の中で、先発の第1候補となるのは、やはり矢島か。日本人離れした身体能力を持ちながら、度重なる負傷でポテンシャルを発揮しきれていないが、新天地で心機一転して活躍を期待したい。
伊藤翔も、高校時代から高く評価されてきたが、期待に応えているとは言いがたい。昨季は初のハットトリックを記録するなど才能の片鱗は見せた。今年の7月には26歳になり、サッカー界では若手とは言えない年齢だけに、定位置をつかむ活躍を見せなければならない。
藤田に関しては、唯一の既存戦力であるため、昨季からの継続を強みにポジションをつかみ取りたい。
中盤では、名古屋から藤本淳吾を獲得。藤本は、横浜FMの下部組織出身で、栗原や榎本とは旧知の仲。何より樋口監督は当時のコーチで、互いを良く知る師弟関係だ。
右SHで出場すれば、トップ下の中村俊輔とともに攻撃のバリエーションを増やせるし、兵藤とのポジション争いでチームを活性化させる。また、中村が負傷や累積で不在のときにはトップ下でプレーメーカーとしても期待できる。
新潟から獲得した三門雄大は、運動量豊富な守備的MF。昨季は新潟でゲームキャプテンを努めて後半の快進撃に貢献し、シーズン後半はサイドバックでもプレー。今季ACLに出場する横浜FMにおいても貴重な戦力となるだろう。
DFラインでは、大宮から左SBの下平匠を獲得。現在25歳と働き盛りで、40歳となるドゥトラの負担を減らすどころか、そのまま定位置を獲得する可能性も大いにあり得る。
その他、新卒ではユニバーシアード代表の天野と、U-18日本代表の北谷を獲得。昨季レンタルで加入していたファビオか完全移籍で、愛媛に期限付き移籍していた松本が復帰した。