カウンタースタイルでの力を発揮
例えば、11月のアウェイでのエバートン戦(3-3)。撃ち合いは観る者を楽しませたが、互いのGKの好守がなければ更なるハイスコアになっていた。1ポイント獲得への貢献度では、ミニョレが相手GKを凌ぐ。
つまり、リバプールは大量失点で負けていたかもしれないのだ。同月のアーセナル戦(0-2)では、アウェイでの「いつも通り」が実際に裏目に。3-5-2で臨んだリバプールは、パス&ムーブで一枚上手の相手攻撃陣に3バックが翻弄され、スペースを生み出された。
ところが、トップ4争いも本格化する後半戦のリターンマッチで、ロジャーズは柔軟性と抜け目のなさをも世に示した。エバートン戦では、ホームゲームでありながら敢えてカウンター狙い。
スアレスがハーフウェイラインから独走した4点目が作戦成功の象徴だ。アーセナル戦で採用した4-1-3-2にはひねりが利いていた。相手4バックの穴と見た左SBのナチョ・モンレアルを攻めるべく、普段は右サイドのラヒム・スターリングを左に回し、2トップの一角からは最大の武器であるスアレス、2列目からは運動量の豊富なヘンダーソンをモンレアルにぶつけている。
結果として、左サイド後方の対応で受け身になったアーセナルから、立ち上がり10分間でのセットプレーから2点を奪い、手薄の逆サイドを主戦場としたスターリングとスタリッジが計3ゴールを決めた。
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